シャドーバンキング解体新書中国の不動産バブルの原因となっている、謎の金融システムの実体

サブプライムローン問題とシャドーバンキングとの共通点

サブプライムローン問題不動産バブルといえば、古くは日本の80年代を思い出しますが、記憶に新しいのが2007年頃までのアメリカのサブプライムバブルです。

サブプライムローンという定収入の借り手、すなわち貸し手からすればハイリスクになる融資を「債券化」して、かつ様々な金融商品に広く薄く紛れ込ませるという手法でした。こうすることで、貸し手であった金融機関はリスクヘッジできましたが、社会全体としてはサブプライムローンの実体が見えにくくなったという問題を招き、事態を深刻化させました。

今回の中国のシャドーバンキング問題(理財商品)と、アメリカのサブプライムローン問題には、沢山の共通点があります。列挙してみると・・・

という点が挙げられます。規模が共に130兆円というのは単なる偶然ですが、それ以外は必然の一致だといえます。特に問題なのが、投資家がリスクを背負っているにも関わらず、金融商品の中身を理解していない事です。シャドーバンキングの理財商品は、サブプライム債券と同じで、デフォルト(債券の回収不能)のリスクは全て投資家が背負っており、発行する金融機関ではありません。但し、理財商品のデフォルトに留まらず、シャドーバンキング自体の経営が傾けば、その出資者である銀行がツケを支払う(不良債権になる)ことにもなります。

もう一つ重大な共通点は、誰も問題の全容を把握できていない点です。サブプライムローンも、シャドーバンキングの理財商品も、わざと中身が分かりにくくなっているだけでなく、全体でどれだけの金額が投じらたのかも、正確には判明していません。130兆円というのはあくまで推計で、特に中国のシャドーバンキングについては、これよりも遙かに大きな金額になる可能性もあります。この事が、アメリカ(中国)政府が、明確な対策を打ちづらくしている理由です。

異なる点もあるが、世界経済に悪影響を及ぼす意味では同じ

逆に、サブプライムローンと理財商品には、明確に異なる点もあります。それは

という点です。前者の、融資が個人相手なのか法人相手なのかという点は、さほど重要な意味は持ちません。違いが大きいのは、商品の流通がグローバルなのか、ローカル止まりなのかという事です。

サブプライム債券は様々な金融商品に紛れ込み、世界中に流通していたことで、リーマンショックという世界的金融危機に繋がりました。しかし、シャドーバンキングの理財商品の流通は、中国国内の投資家に限られています。従って、中国の不動産バブルが崩壊しても、直接損害を被るのは中国人投資家だけになります。

だからといって、シャドーバンキング問題が世界にとって無関係な訳ではありません。アメリカもヨーロッパも、そして日本も、中国経済とは大きな相互依存関係が構築されているので、間接的には大きな影響を受けることは必至です(⇒世界経済への影響)。また、中国がバブル崩壊の穴埋めとして、(米国債の売却を脅し文句に)人民元の切り下げという爆弾行為を行う可能性も十分考えられます。特に、人民元の切り下げは、中国単独で成立する行為であり、かつ世界(特に日本)への悪影響は計り知れないレベルに達します。

最悪の場合、リーマンショックを超える世界的金融危機に発展するリスクすら考えられるのです。

◆関連サイト;サブプライム問題解体新書〜原因と世界経済への影響などのまとめ。

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