シャドーバンキング解体新書中国の不動産バブルの原因となっている、謎の金融システムの実体

シャドーバンキングの仕組み

シャドーバンキング(影の銀行)と言う言葉は、2013年に中国のそれが話題になるまで、日本ではほとんど無名の存在でした。では一体、シャドーバンキングとはどういう仕組みで、どのようなメリットがあるのでしょうか?

まず、シャドーバンキングが何故生まれたのかを考えます。中国では、銀行が融資する金利に制限が掛けられています。規制には様々な理由がありますが、その一つが、不動産バブルの抑制です。よって銀行は、高い金利を付けられないので、融資は一部の優良な不動産開発だけに限らざるを得ません。

しかしそれでは、不動産開発ブームの恩恵をあまり受けられない訳です。そこで銀行は、自分達が直接融資するのではなく、一旦別の投資会社を設けます(これがシャドーバンク)。この会社は俗に「融資平台」などとも呼ばれ、不動産投資目的の会社として運営され、一般の投資家へ「理財商品(不動産融資の金融商品)」を販売する事で資金を集めます。

この資金で不動産開発へ融資し、投資家への配当金との差額を鞘抜きして儲けを出すのです。

シャドーバンキングの解説図

シャドーバンキングの仕組みを、細部を省いて簡単に示すと、上記の図のようになります。銀行の帳簿に載らない、裏側での融資なので「影の銀行」と呼ばれる訳です。

中国政府の融資規制がシャドーバンキングを生んだ原因

ポイントは、直接の融資だと金利規制の対象となるのが、投資ファンドのような形式を取れば、その規制の対象外になるという、法律の穴を付いている事です。

中国では、融資の貸出金利がおよそ6%に制限されており、この金利で貸す事は銀行にとってリスクに見合っていません。しかし銀行融資ではなく、融資平台(シャドーバンク)を介した理財商品という形にすれば、10%程度の金利で不動産業者に貸し出す事が可能になります。

しかもこの形式だと、不渡りリスクは理財商品を購入した投資家が被る事になり、銀行は融資平台を通じて差額を鞘抜きするだけで儲かるのです。銀行にとっては極めて都合の良い仕組みです。

要約すると、シャドーバンキングとは、銀行が規制を回避・迂回するために設けた闇金融システムなのです。

当然ながら、中国政府はシャドーバンキングの存在を問題視していますが、一気に殲滅させるような政策を取る事は出来ません。その理由は、中国では民間だけでなく地方政府なども、不動産投資ビジネスにのめり込んでいるからです。それに、中国のGDPの半分近くを総固定資本形成(≒不動産開発)が占めており、これを抑制する事は、経済成長を大きく減退させてしまう事になるからです。

※注意;実際のシャドーバンキングは、不動産業者だけでなく、他の業種にも出資しています。しかし割合としては不動産関連が最も多く、しかも現在の中国の情勢から最もリスクの高い融資でもあります。なお、不動産に特化したシャドーバンキングだけを「融資平台」と呼ぶのが一般的なようです。

基本情報 シャドーバンキングとは? シャドーバンキングの仕組み シャドーバンキングの規模 中国は不動産バブルなのか? 日本の不動産バブルとの類似点 サブプライム問題との共通点 規制は難しい 
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