シャドーバンキング解体新書中国の不動産バブルの原因となっている、謎の金融システムの実体

中国のシャドーバンキングの規模はどの位?

シャドーバンキングの規模については、中国政府も一体どの程度に拡大しているのか、はっきりとは把握できていないようです。そこで、国際機関やシンクタンク等が算出した金額の推計値をまとめてみました。

金額にこれだけ大きな差が出る理由は、シャドーバンキングの定義の差です。国際協力銀行では、シャドーバンキングは中国の不動産バブルを支えている闇の投資信託、いわゆる「理財商品」というものに限った規模で分析しているようです。一方、中国のシンクタンク=上海証券研究所やIMFやJPモルガンは、理財商品だけでなく、中国の地下経済そのものの総称としてシャドーバンキングと捉えているから、金額が巨大に推計されています。

中国のシャドーバンキングの規模中国では、銀行が中小企業に融資するというケースは極めて少ないです。中国では全ての土地が国有であるため、日本では一般的な「不動産担保融資」は存在し得ません。また、日本の信用保証協会のような、国が中小企業融資を支援する制度も不十分です。そして、日本では大田区や東大阪など、独自の技術を持った優秀な中小企業が数多くありますが、中国ではそういう企業は極めて希で、ほとんどが安い労働力で大量生産するだけの会社です。従って企業の体力も信用力も非常に脆弱なので、銀行が融資をしたがらないのは自明の理です。

上記の理由から、中国の中小企業は正規の銀行融資を受けられず、いわゆる「ヤミ金」から資金調達する事が慣例となっています。このように、中小企業の経営に関与している非正規融資(地下金融)も、シャドーバンキングだと捉えれば、IMFやJPモルガンの推計のような「GDPの半分」とか「500兆円規模」という、桁外れの数値になる訳です。

理財商品の部分だけだと定義すると約130兆円規模

しかし、中小企業に融資している地下金融の部分は、古来より中国では当たり前の習慣です。これは、日本のノンバンク(商工ローンや消費者金融)と同じようなもので、中国の不良債権〜不動産バブルの問題とは、直接関係の無い存在です。

よって当サイトでは、シャドーバンキングは不動産バブルに関与している「理財商品」の部分だけと定義づけています。そしてその規模は、国際協力銀行の言う「100兆円規模」というのが、一つの目安でしょう。

それを裏付けるかのように、中国銀行業監督管理委員会の尚福林主席が、理財商品の残額が2013年3月末時点で8兆2000億元(約130兆円)に達した、と発言しています。当サイトでは、この130兆円という金額が基準値だと考えます。

但し中国のGDP(約830兆円。2012年)の半分近くが「総固定資本形成」、即ち建物や道路・橋などの建設費で構成されている事、そして不動産投資のかなりの部分がシャドーバンキングが担っているという推測を踏まえると、実際には100〜130兆円よりも更に大きな金額になると思われます。

ちなみに、130兆円という金額は、アメリカのサブプライムローンとほぼ同じ規模という推計です。

◆関連ページ;中国のGDP内訳〜諸外国と比べて、総固定資本形成の割合が突出している(BRICs辞典)

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