シャドーバンキング解体新書中国の不動産バブルの原因となっている、謎の金融システムの実体

シャドーバンキング問題の日本経済への影響

日本では2013年6月に、初めて降って沸いたかの如くメディアに登場した、中国のシャドーバンキング問題。では日本経済にとって、この問題はどのような影響を及ぼすのでしょうか?

日本の貿易相手国まず前提条件として、中国の不動産バブルは「いつかは必ず弾ける」ことを認識すべきです。シャドーバンキング問題は、中国の不動産バブルと表裏一体の関係です。問題がどのように着地するかは、ハードランディングするか、ソフトランディングするかの違いだけで、不動産バブルがいずれは崩壊するのです。

それと共に中国経済が崩壊すれば、日本への影響も計り知れません。輸出・輸入を合計すれば、日本の最大の貿易相手国は中国です。2012年度の貿易総額は約130兆円ですが、その2割が中国で、2位のアメリカの1.5倍以上の割合です(※注)。今の日本経済にとって、中国はアメリカ以上に影響力の大きな存在です。中国経済が崩壊すれば、中国への輸出が激減することは必死です。

それ以上に恐ろしい事として、中国が人民元の切り下げに踏み切るリスクが挙げられます。不動産バブル崩壊から経済を立て直すには、外需に頼らざるを得ないので、人民元の切り下げで輸出競争力を高めてくる可能性があるのです。

1994年の人民元切り下げで日本経済は崩壊した

もし人民元が切り下げられると、日本経済にとっては悪夢の再来です。中国は1994年1月に、人民元を1ドル=5.72元から8.72元へと、大幅に切り下げた歴史があります。その後、中国経済は大きく繁栄しましたが、逆に日本はその影響で(安価な中国製品に押され)グローバル市場での輸出競争力が激減し、経済が「失われた20年」へと墜ちていく原因となりました。

現在の日本は、1994年よりも更に経済基盤が脆弱です。人口が減少に転じ、少子高齢化も進む一方なので、内需が拡大する可能性は、万に一つもありません。経済を支えるには、輸出なり観光なりで「外需」を取り込むしか方法はありませんから、為替レートが円安であることが大前提にあります。そんな状況下で、お隣の中国が再び通貨安政策を取られれば・・・円高による競争力低下で、再び日本経済は壊滅しかねません。

中国のシャドーバンキング問題が、ソフトランディングしようとハードランディングしようと、日本経済への悪影響は必至です。そして、将来的にどちらかが必ず起こるのです。時間がどれだけあるかは分かりませんが、その時までに、日本は巻き添えで経済破綻しないよう、対策を進めておく必要があります。

特に、より一層の金融緩和で円安を促進し、中国に負けないだけの輸出や観光需要を取り込むことは、絶対不可欠だといえるでしょう。ですから、アベノミクス(日銀による量的金融緩和)を続けることが、日本が行える最大のシャドーバンキング対策だといえます。

※注;貿易データのソース;財務省「貿易統計」より。

基本情報 シャドーバンキングとは? シャドーバンキングの仕組み シャドーバンキングの規模 中国は不動産バブルなのか? 日本の不動産バブルとの類似点 サブプライム問題との共通点 規制は難しい 
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