シャドーバンキング解体新書中国の不動産バブルの原因となっている、謎の金融システムの実体

シャドーバンキングの破綻(デフォルト)は避けられない!

これまで見てきたように、中国のシャドーバンキング問題は極めて深刻です。特に、地方政府がシャドーバンキングを利用して金儲けしている事が、問題の自浄作用を失わせる原因となっています。

もしシャドーバンキングが崩壊すれば、中国の不動産バブルが弾け、地方政府の財政破綻が相次ぐ可能性が高いです。では、シャドーバンキング制度が破綻(デフォルト)し、中国経済の崩壊は起きるのでしょうか?当サイトでは、将来的にシャドーバンキング崩壊の可能性は極めて高く、中国経済のハードランディングは避けられないと予測しています。

その理由は、中国のシャドーバンキングが持続不可能な制度であることから、逆説的に証明できます。シャドーバンキングは、通常の銀行が行わないハイリスクな融資を、簿外で隠れて行うためのシステムです(⇒シャドーバンキングの仕組み)。即ち、本質的にデフォルト(債務不履行)になる可能性が高い、ジャンク融資の掃き溜めのような存在です。

そんな危険な融資を、銀行は「理財商品」という債券に変え、リスクを投資家に押しつけて行っている訳です。中国人投資家は、理財商品の利回りの高さに目がくらみ、破綻リスクを十分に把握せずにお金を出しています。リスクヘッジの仕組みも、投資家が仕組みを十分理解していない点も、アメリカのサブプライムローンの証券化と全く同じ構図です。

シャドーバンキングが崩壊すれば、理財商品はデフォルトに陥ります。多くの中国人投資家が損失を被るのは無論、地方政府も多額の不良債権を抱える事になり、財政破綻が相次ぐ事になります。一つのシャドーバンクが破綻すれば、他の金融機関も貸し渋りが加速し、企業の連鎖倒産も増えます。このように、官・民・そして投資家に至るまで、中国の経済主体のほぼ全てに、崩壊の悪影響が及びます。

理財商品がデフォルト

1.不動産投資していた地方政府が財政破綻
2.損失補填の為に、銀行が貸し渋りを加速

関係の無い企業にまで連鎖倒産が広がる

中国経済が崩壊へ!

このような金融危機時には、公的資金で破綻の連鎖を断ち切るのが重要で、リーマンショックや日本のバブル期でも、金融機関に公的資金が注入されました。しかし、おそらく政府(中国共産党)は公的資金の注入を、最小限しか行わないと思われます。理財商品が闇の融資システムである以上、シャドーバンキングに「直接」公的資金を投入する事は、不正を救済する形になるので、難しい政治判断になるからです。また工商銀行や建設銀行など、大手国有銀行は救済するでしょうが、地方の中小銀行にまで公的資金が入る可能性も少ないです。そこまで救済する事は、シャドーバンキングの規模を考えると、金額的に不可能だからです。

中国経済崩壊のリスクに備えておくべき

つまり、シャドーバンキング問題を穏便にソフトランディングさせることは、事実上不可能だと言えるのです。

シャドーバンキング破綻の一つのターニングポイントが、2014年1月末と言われています。中国の旧正月に当たるこの時期、満期を迎える理財商品が数多く存在します。ここでデフォルトを起こす理財商品が出れば、連鎖的に他の金融商品にも飛び火し、ドミノ式にバブル崩壊が起きる可能性が指摘されています。

そしてこの時期を乗り切ったとしても、その後も理財商品の満期は次々に訪れるので、中国経済が劇的に回復する(実質GDP成長率が二桁に戻るレベル)事でもない限り、いずれ何処かで理財商品のデフォルトは起こり、シャドーバンキング問題が崩壊する時が来るはずです。中国政府が経済崩壊を避ける為に、人民元の切り下げという悪あがきを始める可能性も考えれます。

中国の金融市場はガラパゴスで、グローバル金融市場とは切り離されたマーケットですが、シャドーバンキング破綻の影響は、間違いなく世界にも及びます。我々日本人(特に投資家の方)は、いずれ中国経済が崩壊するであろう事を念頭に置き、常にリスクヘッジを考えておく必要があります。

※追記;2014年2月12日、吉林省の石炭会社「山西聯盛能源」に関する理財商品が、テクニカルデフォルト(返済期限を破る)に陥ったと報じられました。関わっていた中国建設銀行などが、本格的な破綻(債券放棄)に陥る事を避けるべく、必死に模索しているようです。

基本情報 シャドーバンキングとは? シャドーバンキングの仕組み シャドーバンキングの規模 中国は不動産バブルなのか? 日本の不動産バブルとの類似点 サブプライム問題との共通点 規制は難しい 
経済への影響 世界経済への影響 日本への影響 問題の解決方法は? 破綻(デフォルト)は避けられない 人民元の切り下げもあり得る?
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