シャドーバンキング解体新書中国の不動産バブルの原因となっている、謎の金融システムの実体

中国は本当に不動産バブルなのか?

当サイトでは、当たり前のように各ページで「中国の不動産バブルが〜」という表現を使っています。シャドーバンキングの存在が、中国の不動産バブルを助長していると見ているからです。しかし、本当に現在の中国で不動産バブルが起きているのか?疑問に思う人も多いでしょう。もしバブルでは無いのであれば、シャドーバンキング問題自体が無意味な議論となりますから、重大な誤解になります。

しかし、当サイトでは中国は「不動産バブルである」と断定しています。ただし、当サイトの言う中国の不動産バブルの意味合いは、一般的な不動産バブルのケース(80年代の日本や、2000年代の米国のサブプライムローンなど)とは、根本的に違います。そして、生じるリスクも異なると考えています。

実は中国の不動産価格の推移や、家賃の上昇率などは、バブルという表現を使うほどでもありません。日銀のレポート『最近の中国住宅市場の動向について』を見ると、2007年から12年までの5年間で、住宅価格の上昇率は30%に届いていません⇒日銀レビュー12年8月(pdfファイル)

一方で日本のバブル期(84〜89年)の5年間では、不動産価格は2倍近く上昇しています⇒日銀レビュー10年3月(pdfファイル)(3ページ目)。

このように、単純に住宅価格の上昇率だけを見れば、中国のバブルはさほど危険な水準では無いように見えます。しかし、不動産価格の変動だけを見ても、バブルの危険性は理解できません。中国で問題な事は、シャドーバンキングの規制が不十分な為に、不動産融資が止まらないことです。

中国の不動産価格上昇率がさほど高くないのは、既に不動産の供給が過剰だからです。最初のPDFの2ページ目に、中国の住宅着工床面積の伸び率と、住宅の在庫率のグラフが載っていますが、共に猛烈なペースで伸びていることが分かります。住宅の開発が多すぎるので、需給バランスが崩れて、不動産の値段が伸びていないのです。

中国は不動産の供給過多、日米は需要過多のバブルだった

つまり中国の不動産バブルは、日本の80年代のように「需要過多」で価格が暴騰しているのではなく、「供給過多」という意味のバブルです。日本では不動産を買いたい人が多くて値段が釣り上がっていましたが、中国では価格が上昇するバブルではなく、不動産を無闇に作りすぎているという意味のバブルなのです。

供給過多による不動産価格の伸び悩みは、不動産デベロッパーが損失を抱え、大量の不良債権を抱えるリスクがあります。そして、中国のGDPは半分近くが総固定資本形成(≒不動産開発)が占めているので、不動産開発の減少は、経済成長を大きく減退させてしまいます(※注1)。

従って、シャドーバンキング問題が破裂した際の、中国経済への悪影響は、日本の80年代やアメリカのサブプライムローンよりも、大きくなるリスクが高いのです。

※注1中国のGDP構成比率(BRICs辞典)。中国は総固定資本形成が突出して多いというリスクがある。

基本情報 シャドーバンキングとは? シャドーバンキングの仕組み シャドーバンキングの規模 中国は不動産バブルなのか? 日本の不動産バブルとの類似点 サブプライム問題との共通点 規制は難しい 
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